なくらの冒険の書。

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主に漫画・アニメ・ゲームについて語るブログです。

ドラゴンクエスト7をクリアした感想。

先日PS版のドラゴンクエストⅦをクリアしました。

私は3DS版のクリア経験はあったのですが、PS版は昔クリアすることが出来なかったので、PS版のクリアは今回が初です。

それを記念して、感想記事を書いていきます。

 

クリア時間は107時間くらい。パーティの平均レベルは40くらいでした。

ドラクエ7の話題を見ると「クリアまで100時間かかる」という方が多くいらっしゃる印象です。

私はこれについて、「ちょっと話盛ってるだろw」と思っていました。(※3DS版は80時間くらいでクリア出来た記憶だったため)

しかし、今回クリアまでに100時間以上かかってしまったので、その情報は事実だったと認めざるを得ません。

疑ったりしてすみませんでした!

 

人の心のみにくさを知るRPG

今回ドラクエ7をクリアしての印象なんですが、私はこのゲームのことを「人の心のみにくさを知るRPG」だと感じました。

なぜそのように感じたのかと言うと、まずこのドラクエ7のストーリーの流れですが、

過去の世界に行く→その大陸が滅びてしまった原因を解決→現代に大陸を復活させる

7ではこのような作業を繰り返すことになります。

 

滅びてしまった原因はモンスターの介入によるところも大きいのですが、実はモンスターは直接手を下すのではなく、人間の心の弱い部分に付け込んで、結果人間自身の手で町を滅ぼさせる。なんてことをしていることが多かったりします。

たとえば主人公らが最初に訪れる、ウッドパルナの村についてです。

 

ウッドパルナは、主人公らが訪れるより何年か前にも魔物の襲撃に遭っており、当時の英雄によって守られた村だということが語られます。

当時の英雄パルナは、単身モンスターの住み家に乗り込んでいきました。

実は他の村人たちと、「パルナの後に続いてモンスターを退治しに行く」という約束をしていたからです。

パルナはその言葉を信じて、1人でモンスターと戦い始めました。

 

しかし、村人はモンスターを恐れて、誰もパルナを助けに行かなかったのです。

結果、パルナはモンスターと相打ち。お陰で村は助かりましたが、パルナは死んでしまいました。

村人は英雄パルナのことを忘れぬように、村に「ウッドパルナ」と名付けました。

 

これではまるで、パルナを騙して単身モンスターのところに行かせ、人柱にしたようなものです。

この時点で人間の身勝手さが見えていますね。

 

さて、パルナの件について、同じように感じて村人を恨んでいる人物が居ました。

英雄パルナの妹・マチルダです。

チルダは人間に対する憎しみの気持ちに負け、モンスターとなってしまいました。

チルダは悪魔の誘いに負けてしまいましたが、元はと言えば村人たちの弱い心が招いた結果です。

なので、すべてモンスターが悪い、と言い切ることは出来ないんですよね。

 

そんなこんなでモンスターと化したマチルダを倒し、数百年経過した現代にウッドパルナが復活します。

数百年経ってもウッドパルナの姿はほとんど変わっていませんでしたが、月日の流れは村人から「英雄パルナ」のことを忘れさせていました。

英雄のことを忘れないように、と村に彼にちなんだ名前を付けていたのに…。

 

 

……というのが、主人公が最初に訪れる村の出来事です。

なんとすっきりしないエンドなんでしょう。

このドラクエ7では、こんな感じですっきりしない物語がわんさかあります。

「数百年経っても、村人は英雄のことを忘れず、いつまでも感謝し続けましたとさ。チャンチャン♪」

ではダメだったんでしょうか。ダメだったんでしょうね。

ふつうなら良い感じのオチにしてしまいそうなところを、「月日の流れは残酷だ」という現実から逃げずに、人間のそういうところを描いているのがドラクエ7の凄いところだと思います。

 

最初から分かってたおばさん

さて、そんな感じで暗いエピソードが続いていくドラクエ7ですが、中にはめちゃくちゃ「えぇ……」って感じの人物も登場します。

私が特に「やべぇな」と感じたのは、表題の「最初から分かってたおばさん」です。

皆さんはこれを聞いて、どこに登場する人物かお分かりになりますでしょうか?

 

この「最初から分かってたおばさん」は、私の確認した限り2か所に存在します。

・過去ルーメン

・過去レブレサック

上記の2つです。

 

この2つのエピソードは特に印象に残りやすいため、覚えている方も多いかと思います。

・ルーメン→何度も滅びる町。チビィ。

レブレサック→モンスターの姿になった神父を、村人みんながイジメるところ。

この情報でどんなエピソードだったか、大体思い出していただけましたか?

 

この2人の最初から分かってたおばさんの共通点は、以下3点です。

・「モンスターなんだから、早くぶっ倒しちまおうぜ」という旨の発言をする。

・と、思ったら事件解決後には手のひらを返し、「私は最初からあのモンスターが良い奴だってわかってたよ」と言う。

・おまけに自分のことは棚に上げて、「町(村)のみんなはひどいことするなあ」と言う。

こんなどうしようもないおばさんが、ドラクエ7にはなんと2人も登場するのです。

堀井雄二先生のお気に入りなのでしょうか。

 

 

しかし、この最初から分かってたおばさんを見て、私は考えました。

ひょっとしたら、私も最初から分かってたおばさんと、同じことをしていたのではないでしょうか?

 

まず上記のルーメンとレブレサックのエピソードで共通しているのは、

・住人のところに得体の知れないモンスターがやってくる

・そのモンスターを倒してしまおうか、という話になる

というところです。

 

私は神(プレイヤー)視点で物語を見ているので、「ひょっとして、このモンスターは良い奴なんじゃないか?」と落ち着いて考えることができます。

でも、私がこの町(村)の人と同じ立場だった場合はどうでしょうか。

きっと、町の人たちと同じことをしたと思います。

得体の知れないモンスターを恐れ、出来ることならこの町から追い出したい、そう考えたことでしょう。

 

ところが神視点で見ている私は、事件解決後「やっぱりこのモンスターは良い奴だと思ってたんだよねw町の人たちはひどいことをするなあ~」と、住民に向かって言っていました。

今回の場合、以前リメイク版ドラクエ7をクリアしていたので、私は本当に最初からモンスターが良い奴と分かっていました。

ですが、初見プレイ時の私も、上記とまったく同じ言葉を住民に向けて言っていた気がします。

最初から分かってたおばさんと全く同じことをしていたんですね。

 

私がこんな風に冷静に判断できたのは、町の人と全く関係ない部外者だったからです。

そのことを忘れ、安全圏から町人たちを責め立てる。

私自身も、最初から分かってたおばさんと、やっていることはなんら変わりがないことに気が付きました。

 

人は「得体の知れないもの」に恐怖を覚えます。

ルーメンの町の1人が言っていたように、「モンスターを倒すか倒さないか」という話になるのは、きっと必然だったのです。

なぜなら、もし得体の知れないモンスターが狂暴化してしまったら、町の人に危険が及ぶかもしれないからです。

だから、町を守るためにこういう展開になってしまったのは、仕方のないことだったのです。

 

そのため、この場合は「事件が起きた時、なにをしていたのか」よりも「事件が解決した後、この事件をどう受け止めてこれから生きていくのか」ということのほうが大事なんだと思います。

事件の英雄に感謝するのか、当時の自分の行動は間違っていなかったと振り返るのか、最初から分かってた気になるのか…

「最初から分かってたおばさん」は、このように考える機会を与えるために作られたキャラクターなんだと思います。(それ言いすぎ

 

キーファについて

さて、このドラクエ7を語る上で欠かせないキャラクターといえば、やっぱりキーファですね。

私はもともと種は使わない派だったので、種泥棒という印象は特にないです。

また、パーティを抜けた件についても「自分がやりたいことを見つけた」と言うので、「おお、がんばれ」って感じです。

好奇心旺盛なキーファには、エスタード島は狭すぎたのでしょう。

キーファは王子様なので、「国はどうするんだよ!」とか、「せめて慕ってくれてる妹にだけでもメッセージは残してやれよ!」という気持ちは当然あるにはあるんですが…

 

ぶっちゃけ私が幼少の頃には、キーファが離脱することも理由も知っていたので、「キーファはパーティから外れる」というのが私の中で常識化してしまっていて、あまり怒りの感情が無いんですよね。

そりゃあ、メインアタッカーだったので、離脱されてすぐは困りましたけど…

主人公は喋らないので、キーファが居なくなる時、彼が何を考えていたのかは分かりません。

しかし、特に引き留めなかったところを見ると、たぶん親友がやりたいことを応援したい気持ちのほうが勝ったのでしょう。

だったら、私も主人公の気持ちに従うしかないかな、と。そんな感じです。

 

ただ気になるのが、キーファはお兄ちゃんなだけあって、ときどき主人公に向けても面倒見のいいような発言をすることがあるキャラクターです。

それなのに、過去ユバールでライラさんと出会ってからは、これまでの態度とまるで変わります。

ビバ・グレイプに持ってくるようにと、主人公をパシリにしたりするのです。

恋は!いつでも!ハリケーン!という現れなのかもしれませんが、この辺りはもう少しなんとかならなかったのかな、と思いました。

 

まとめ

ドラクエ7は暗いお話が続き、モブの中にも結構ヤバいこと言ってる人が居たりします。

でもそれは、私が神(プレイヤー)視点で見ているから言えることなんです。

立場が変われば、見える世界も変わってくる。

そんなことを、このドラゴンクエストⅦは教えてくれました。

大人になってからプレイすると、このように当時とは違った世界が見えてくるかと思います。

 

ドラクエ7は、今だとPS1/3DSスマホで遊ぶことができます。

「以前クリアしたけど、長いからもう1度やる気になれない」というあなたも、ドラクエ7で人の心のみにくさを再認識してみませんか?

それを知った時、今の自分より少しだけ優しくなれると思いますよ。たぶんですが。

 

 

 

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